黒千石大豆って何 知っておきたい料理の基本

1.大豆

マメ科ダイズ属の植物の一種で、茎の丈は約30~90cmであり直立するものやツル状に伸びるものなどがあります。
夏から秋にかけて葉の付け根に白や紫、淡い紅色の花を咲かせて開花後約5cmの長さに伸びた莢(さや)が出来、中に約2~3個の種子があり、品種によって形状が異なり栽培時期や形態で分類すると子実(しじつ)の特徴から粒大(つぶだい)【大粒種(おおつぶたね)、中粒種(ちゅうつぶたね)、小粒種(こつぶたね)】種皮色(しゅひしょく)や臍色などの組み合わせがあります。
短日植物の大豆は日長反応、熟期、開花結実の習性などの生態を利用して品種と播種時期(はしゅじき)を選定します。
日長反応による分類は春まきして日長に関係なく温度に感応して生育し、開花結実する夏大豆型があり、夏まきして日長が短くなると正常な生育とともに開花結実をする秋大豆型がありそれらの中間型もあります。
夏大豆、秋田大豆を熟期の早晩で早生(わせ)、中生(なかて)、晩生(おくて)に分け、地域(寒地、寒冷地、温暖地、暖地)によって適応する品種が違います。
植物の中で唯一肉に匹敵するタンパク質を持っていることから最近では大豆ミールとして肉の代わりとして使われるようになってきており日本では「畑の肉」としてアメリカでは「大地の黄金」と呼ばれ数々の食事に使われるようになってきています。
採食や殺生を禁じている宗教徒については植物性タンパク源として利用されたり、精進料理においても重宝された事で加工品としても利用される事が多くなり世界中で広く栽培されるようになっています。
日本では縄文時代にも栽培されていたと言う出土例もあります。

2.大豆の生産地

ブラジル、アメリカ、アルゼンチン、中国が大豆の生産の大半を占めており、日本でも北海道を中心に栽培されておりますがその数は少なくほとんどが輸入だれた物になりますなります。

3.主な大豆の種類

 1.黄大豆
最も良く利用されている大豆の種類で大きさによって大粒・中粒・小粒に分類され大粒は煮豆、中粒は豆腐や味噌、小粒は納豆に加工されています。
 2.黒大豆
大半が大粒で主に煮豆として利用されています。
 3.青大豆
うぐいす餅についている緑色のきなこや未熟なまま利用している枝豆などが知られています。

4.主な大豆の加工食品

・豆腐
大豆を水に浸しタンパク質を固めて作る柔らかい食品で製法の違いで木綿豆腐や絹ごし豆腐などになり、また、細く切って揚げた油揚げや厚揚げなどがあります。
・醤油(しょうゆ)
炒って粉砕した小麦と大豆を混ぜたものに麹(こうじ)と食塩を加えて発酵させて麹を搾り取ったものです。

・納豆
蒸して煮た大豆を納豆菌により発酵させたもので粘りがあり消化が良くなります。

5.黒千石大豆

黒千石大豆は黒豆の一種で他の黒大豆と比べて極小粒の種子は光沢のある黒色で、子葉は緑色をしており葉数に特徴があり、普通の大豆が9-10枚に対して黒千石大豆は13-14枚と普通の大豆より日照時間が多く必要として天候に左右されやすく栽培が難しい為に生産量も少なく貴重な品種です。

6.黒千石大豆の特徴

黒の皮の部分には、ポリフェノールの一種であるアントシアニンが黒豆の2倍も含まれており、このアントシアニンには老化を遅らせる抗酸化作用があり、眼精疲労回復や視力改善が期待されています。
2008年に北海道大学遺伝子制御研究所により免疫を担う人体内のリンパ球が刺激されて感染抵抗力やがんへの免疫を高めアレルギー症状を抑えるインターフェロンγ(がんま)の生成を促す物質が発見され抗酸化作用においても他の黒豆や大豆に同様の効果はなく黒千石大豆のだけの特徴になります。

7.黒千石大豆の栄養素

栄養成分表示(100g当たり)
エネルギー 417kcal、タンパク質 35.3g、脂質19g、糖質28.2g、食物繊維17.1g、ナトリウム1.0mg
一般的な国内大豆と比べると黒千石大豆の栄養成分はタンパク質は少し低めで脂質は多くナトリウムは5倍あります。
また、機能成分でありますポリフェノール含有やイソブラボンについては豆類の中で最も多く含まれていた小豆(660mg/100g)よりされに多く(950mg/100g)含まれています(日本分析サンター調査2016年3月)。
白米と比べると食物繊維34倍、カルシウム22倍、ビタミンEha160倍、葉酸19倍、ビタミンB110倍、タンパク質6倍。

8.黒千石大豆の歴史

1941年(昭和16年)に北海道十勝地方の緑肥大豆として適当であるとされ暫定的限定品種とされました黒千石大豆ですが栽培に手間がかかりすぎ天候に左右されやすいと言う事で1970年代には栽培されなくなった絶滅品種になりました。
しかし絶滅品種と言われていましたが偶然にも2001年に原種が50粒見つかりそのうちの28粒が発芽し一旦、岩手県で増やされ十分に栽培される数になってから北海道で栽培がはじまりました。

9.大豆の栄養

・アミノ酸
大豆に含まれているたんぱく質の割合は約30~40%と非常に高く、体内で合成することの出来ない必須アミノ酸のバランスがいい。
タンパク質は筋肉や細胞など体を作る為に必要となる栄養素で肉類などの動物性たんぱく質と比較してカロリーが低いことやビタミン、ミネラルなどの栄養素が豊富に含まれています。
・大豆サポニン
大豆に含まれる渋みや苦みの成分で強い抗酸化力を持ち体内で脂質の過酸化を抑える働きがあり大豆を煮るときの泡にふくまれています。
・レシチン
脂質の一種でホスファチジルコリンと呼ばれ、細胞膜の主成分であり脳や神経組織、肝臓などに多く存在しており細胞内の情報伝達物としてそれぞれの組織での機能調整を司っています。
・イソフラボン
大豆をはじめとするマメ科の植物に多くい含まれるポリフェノールの一種で女性ホルモンの一つであるエストロゲンに似た働きがあります。

10.黒豆の効果

・更年期障害の症状改善
大豆に含まれるイソフラボンには女性ホルモンであるエストロゲンの分泌を促進することによって更年期障害の症状を改善する効果があります。
女性は年齢と共に卵巣の機能が衰えエストロゲンの分泌量が減少することによって様々な不快症状が現れ顔のほてりやのぼせ、発汗、肩こり、頭痛などの身体的なものに加えてイライラ、不安、憂鬱などの精神的な症状も見られ年齢だけではなく、無理なダイエットやストレス、喫煙や睡眠不足などの生活習慣が原因でエストロゲンの分泌量が減少すると言われています。
大豆に含まれるイソフラボンにはエストロゲンの分泌を促し更年期障害の症状を改善する効果があります。
・集中力を高める
大豆に含まれるレシチンの働きによって脳の働きを活発化させ集中力を高める事が出来ます。
脳を構成する神経細胞のグループをニューロンと言い、ニューロン同士を結合する部分はシナプスと呼ばれシナプスから分泌される神経伝達物質によって受け取った情報を全体に分泌するほか情報を記録として留め、留めたものを引き出します。
レシチンはこの神経伝達物質を合成する成分でありレシチンの働きによって記憶力や集中力が高まるほか認知症の改善にも有効と言われています。
・骨粗鬆症の予防
カルシウムは骨や歯だけではなく血液や筋肉、脳にも含まれておりカルシウムが不足すると骨からカルシウムを取り出し、血液中のカルシウムの量を一定にすると言う仕組みがあり骨密度が低下し骨がもろくなり折れやすくなる病気です。
大豆には骨に必要なカルシウムのほか、骨からカルシウムが溶け出さないように調整する働きを持つイソフラボンが含まれています。
エストロゲンの分泌物が減少すると骨にカルシウムを蓄えおく事が低下してしまうため更年期の女性に多く見られ若い女性にも不規則な生活習慣が原因でエストロゲンの分泌が減少し骨粗鬆症が引き起こされる可能性があります。
大豆に含まれているカルシウムが骨を強く保ち、イソフラボンが骨にカルシウムを蓄えることによって骨粗鬆症を予防する効果があります。

11.黒千石大豆の調理・保存方法

生のままの大豆には消化酵素を阻害する働きを持つ物質が含まれているために消化されにくいです。
そのために大豆を調理する際には十分に水に浸して加熱するのが基本です。
大豆は湿気に弱く虫がつきやすいので密閉容器に入れ冷暗所で保存して下さい。
・黒千石大豆ごはん
黒千石大豆をまったく戻さずにご飯と一緒に炊飯器で炊けます。
好みの量を入れ普段通りに炊くだけです。
汚れが気になる方はさっと水に通すように洗って下さい。
しっかり洗いますと上で説明しました黒い部分にあります栄養素が流れてしまいますので気を付けて下さい。
見た目はお赤飯みたいに色が付き食感は栗ご飯のように少しコリコリした食感で甘くておいしくなりますので食べすぎに注意して下さい。
一つまみの塩を入れるとさらに甘みが引き立ちます。
。黒千石大豆の煮豆
黒千石大豆の煮豆は1:1:5で1時間30分炊くのが基本です。
豆:砂糖:水を1;1:5つまり豆200g:砂糖200g:水1000mlの比率で戻した豆と戻し汁、砂糖のすべてを合わせて火にかけるだけです。
軽く水洗いした豆を約8時間水に浸してもどします(豆の3,4倍量)。
戻るまでの時間は気温水温によって変わりますので表面が皺(しわ)がなくなりプクッてするまで浸して下さい。
又、水分を吸収して大きさは約2倍になり形も楕円形になります。
戻した水は豆の黒の色素が出ているのでこの水を使ってゆでて下さい。
茹でる時は豆が鍋の中で踊ってしまわないように沸騰後は弱火にして火加減を調節して下さい(動くことで皮が剥けてしまわないようにするため)。
さらに茹でむらや皺ができないようにゆで汁が減ると刺し水をして足して下さい(豆が表面からでないように)。
・保存
冷蔵なら1週間ほど冷凍なら1ケ月ほどもちますので多く作って保存しておくのがいいと思います。